第8節:費用・保険

  今回の遭難事故においては、不幸中の幸いか早期発見となったため、民間のヘリコプターを使っての捜索活動なども行わなかった。そのため、会計面では、必要最低限の出費に抑えることができた。遭難救助のためにかかった直接的な費用は、実質的に、遭難救助のために現地へ向った6人の交通費のみである。
  遭難救助に向った3月24日(水)〜25日(木)の2日間にかかった費用の内訳は以下の通りである。

  交通費  117,489円(1)
  通信費    4,233円
  その他    1,000円
  合計    122,722円(2)

(1)遭難救助へ向った6名
東京〜黒部   4名(岩本・河村・加賀美・柏) 車3台にて往復
神戸〜黒部   1名(坂下)  JRにて往復
名古屋〜黒部〜東京 1名(黒田)  車1台にて移動

(2)合計金額
上記金額には、遺族の方々が直接支払った救助のためにかかった費用は含まれていない(遺族の方々の往復にかかった交通費、現地での宿泊費等)。

また、遭難救助の2日間にかかった費用に関して、平松君が加入していた山岳保険(住友海上)より、165,973円が支払われた。当初、3月26日(金)以降のミーティング等にかかった費用も含めて請求を行ったが、保険の対象として認められたのは、遭難救助に向った2日間にかかった費用のみであった。携帯電話による通信費等は、絶対額の確定が難しいため、請求額の70%を認めてもらった。また、今回の事故においては、二人遭難したうち一人が保険未加入であったため、最終的に、認定額の半額165,973円が支払われた。今後、山岳保険への加入を改めて徹底する必要がある。